(22日、プロ野球 読売ジャイアンツ8―1中日ドラゴンズ)
試合の行方を一振りで決定づけた。
三回1死一塁。巨人の岡本が中日の左腕・マラーの高めに浮いた変化球を振り抜く。打球は左翼席中段に飛び込んだ。
- 10年目 巨人・岡本和真が挑む新境地 オフから続けたトレーニング
一回に先制2点適時打を放っていた28歳は「早い回に追加点が取れてよかった」。悠々とダイヤモンドを回った。
リーグトップに並ぶ7号2ラン。20打点はリーグ1位だ。開幕から12試合連続安打を放つなど、好調を維持している。
それを下支えしているのはオフから取り組んできた食生活の改善だ。昨季終盤は腰を痛め、本調子ではなかった。その反省から、「けがしない体づくりを目指す」ことを決めた。
食物繊維が豊富なキノコや、低脂肪の豆腐を多く摂取することを心がけ、体をシャープにすることで動きに磨きをかけた。今季は守備では一塁手や三塁手にもつくが、軽快な動きを披露する。
11年目。過去3度本塁打王を獲得しているが、「僕自身は、日本一を経験したことがない」。巨人が最後に日本一を達成したのは2012年。15年にドラフト1位で入団したスラッガーは、まだ見ぬ光景を渇望する。
戸郷や坂本といった主力が不調で2軍落ちするなか、まぎれもなく、この不動の4番がチームを牽引(けんいん)している。
それでも、試合後は淡々。
「まだ始まったばかり。一試合一試合やることはできているのではないかと思う」。
飾らない言葉が、すごみを感じさせる。