【動画】約2万トンの米眠る倉庫 備蓄米の保管現場を訪ねて=西岡臣撮影

 米価格が高騰する中、農林水産省は12日、政府備蓄米の放出量などの概要を14日に公表すると発表した。これに先立ち、埼玉県内にある備蓄米倉庫が12日に公開され、中には茶わん3億杯分(約2万トン)の備蓄米の袋が山積みとなって、保管されていた。

  • 米価高騰で放出の「備蓄米」、茶碗3億杯分が眠る倉庫 記者が取材
倉庫内に積まれた備蓄米=2025年2月12日午前10時13分、埼玉県内、西岡臣撮影

 農水省は毎年約20万トンの備蓄米を買い入れ、約5年の保管期限を過ぎれば、飼料用米などとして売却している。不作による供給不足や、地震など緊急時に限って放出する運用だったが、今回、1年以内の買い戻しを条件に、高騰の背景にあるとされる米の流通不足の際も放出できるようにした。

 総務省の小売物価統計調査によると、昨年6月時点では、コシヒカリ(1袋5キログラム)の全国平均は2414円だったが、12月には3775円まで上がり、都市部を中心に4千円を超える。米が投機対象になり、「売り渋り」による流通量の減少が背景として指摘される。

 江藤拓農水相は12日の閣議後会見で、「価格操作は国がすべきではないが、国民生活に対してあまりにも大きな影響を出している。値上がりもあまりにも急激で、このような決断をした」と述べた。同省は今後、備蓄米を入札で集荷業者に売り渡すが、14日にその量や対象者などを公表する予定だ。

保管されている備蓄米に取り付けられた表示=2025年2月12日午前10時20分、埼玉県内、西岡臣撮影

備蓄米の保管場所、普段は非公開

 一般的に備蓄米の保管場所は…

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