東京都立川市で秋に開かれる「立川立飛歌舞伎特別公演」の演目と出演者が7月30日発表された。3回目の今年は、市川團子や尾上右近、中村壱太郎らが出演する「連獅子」と「新説 小栗判官」が上演される。
「新説 小栗判官」は、團子の祖父・二代目市川猿翁が復活上演した「當世流(とうりゅう)小栗判官」をもとにした作品。藤間勘十郎が脚本・演出・振付(ふりつけ)を手がけて新たに仕上げた。
團子は、祖父も演じた小栗判官と浪七の二役で出演する。
「祖父は復活させた演目のなかで三本の指に入るだろうと書いていた。未熟な自分が身に余る大役を勤めさせていただく覚悟を持って盛り上げていきたい」と話した。
勘十郎によると、團子と照手姫を演じる壱太郎、万長娘お駒などを演じる右近の3人による宙乗りや、大量の雪を降らす演出も予定しているという。
敵役の横山大膳で出演する團子の父・市川中車は「父が復活させたものを、息子がこんなに早く勤めるとは感無量」と語った。
「連獅子」では、右近が親獅子の精を勤める。4人の親獅子のもとで仔(こ)獅子を踊った経験があり、昨年の自主公演で初めて親獅子を演じた。
「これまで4人の親獅子に育てられた。今回迎える仔獅子が、大恩ある勘十郎先生のご子息の康詞(みちのり)さん。先輩・先人に導かれて役者として立てていることを、『連獅子』という舞台を通じて喜びを感じる」
「新説 小栗判官」で照手姫を演じる壱太郎は、立川歌舞伎に3年連続の出演となる。「秋になると立川というのが根付いてきた」。今回の公演のために團子と立川の街をロケして、8月にはユーチューブで公開する予定だ。「立川の地を知っていただける公演になればと思っています」
◇立飛グループ創立100周年記念事業「立川立飛歌舞伎特別公演」は10月23~26日、立川ステージガーデンで。チケットは1万5千~3千円。8月27日発売。