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借地に立つ米子市役所本庁舎=2025年4月10日、鳥取県米子市加茂町1丁目、奥平真也撮影

 鳥取県米子市役所本庁舎(加茂町1丁目)が借地に立っていることをめぐり、伊木隆司市長は3日、地権者と借地の一部を市有地2カ所計約5100平方メートルと等価交換する方針を明らかにした。交換する借地面積は未定で、不動産鑑定士による鑑定評価を進め決定する。交換は2028年ごろをめざす。残りの借地については2040年度の賃貸借期間満了時に買い取る。これらの条件は地権者側が示したという。

 この日の市議会全員協議会で伊木市長が説明した。交換する市有地は、本庁舎に近い旧庁舎敷地(中町)の一部約1700平方メートルと、JR米子駅から200メートルほどの「市万能町駐車場」(万能町)の約3400平方メートル。駐車場は24年度に約1900万円の黒字を計上したが、伊木市長は「交換は借地料の軽減につながり、手放す以上の効果があると考える」と述べた。今後、地権者との協議がまとまり次第、市議会に報告し、土地交換や取得に関する議案を提案するという。

 全員協議会後、伊木市長は取材に「地権者には真摯(しんし)に交渉に応じていただき感謝している。市民にとっても今後の財政負担を抑えていく上で朗報だと考えている」と述べた。

 市は、1982年に完成した本庁舎と駐車場を合わせた計約1万7千平方メートルの土地のうち86%を地権者から借り続けている。借地に立つ市庁舎は「全国でも極めて珍しい」(市担当者)。2024年度末までに累計約34億円の借地料を払ってきた。

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