ポーランド軍の施設で行われた市民向けの軍事訓練で銃を構える参加者=2025年5月10日、ポーランド東部デンブリン、寺西和男撮影

 欧州で徴兵制の復活や予備兵の拡充をめざす動きが広がっている。背景には、ウクライナを侵攻するロシアの脅威への対応や、欧州に安全保障で「自立」を求めるトランプ米政権の圧力がある。ただ、強制的な徴兵制への反発もあり、国民の理解を得ながらいかに進めるかがカギになる。

 「銃を構える時は足をまっすぐ伸ばして」

 「少し下を撃って」

 5月上旬、ポーランド東部デンブリンの軍施設。兵士の助言を受けながら、一般市民が10メートルほど先のスクリーンと無線通信でつながるカラシニコフの改造銃を構え、画面に映し出された的を狙った。

ポーランド軍施設で行われた市民向けの軍事訓練で、スクリーンに映った的に向かって銃を構える参加者=2025年5月10日、ポーランド東部デンブリン、寺西和男撮影

 軍が定期的に行っている、市民対象の1日だけの軍事訓練だ。この日は高校生から中高年の男女約150人が参加。銃やガスマスクの使い方、木の枝で火をおこす方法などサバイバル術を学んだほか、爆薬の入っていない手投げ弾を投げる練習なども行われた。

 参加した企業法務会社で働く…

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