大阪府枚方市教育委員会は15日、市立小学校の児童が2023~24年、複数の児童から蹴られるなどのいじめを受けていたと発表した。児童は不登校になり、学校がいじめ防止対策推進法に基づく「重大事態」と認定したことも明らかになった。
市教委の報告書によると、23年2学期ごろから、被害児童と他の児童らがからかい合うなかで、互いにたたいたり、蹴ったりするなどの行為があった。市教委によると児童は24年2月ごろから欠席しがちになったという。
報告書は、担任はたたきあいや蹴り合いを「じゃれあい」と捉えて注意するだけだったと指摘。「いじめ」の認識が乏しく、適切な対応をしなかったことが不登校につながったとした。
また、被害児童の保護者から24年2月にいじめの訴えがあった後も、事案を学校全体で共有せず、校長や教頭、担任など一部の教職員だけで対応していた。学校が開いた「いじめ防止対策委員会」の記録も残していなかったという。
市教委児童生徒課の倉田仁司課長は取材に「いじめの認知についての理解不足や、組織的な対応ができていなかったことが大きな課題で、再発防止に努める」と話した。