栃木県那須烏山市は正職員約250人を対象に、JR烏山線を中心とした公共交通機関の利用を促す「公共交通チャレンジ月間」を2月に始めた。乗客減で存続が心配されるJR烏山線で、乗客の上積みを少しでもめざし、利用増加に向けた課題も探りたいという。
これまでも「チャレンジウィーク」として職員にJR烏山線の利用を呼びかけたことがあったが、短い期間で利用する職員は限定的だった。今回は、参加人数を増やすために期間を長くした。また、職員の通常勤務の始業は午前8時30分からだが、烏山駅への列車の到着時間にあわせて午前9時15分から始業の勤務時間帯を新設し、試験運用するという。
市はJR烏山線の存続のために「市民1人当たり年間5回の利用が必要だ」と訴えている。だが、市の正職員のほとんどはマイカー通勤。川俣純子市長は「まずは市の職員が率先して利用してほしい」と話している。チャレンジ月間終了後には職員にアンケートをし、利用向上に向けた課題も洗い出したいという。
一方、JR東日本大宮支社は、3月15日からJR烏山駅を無人化することを明らかにしている。防犯の観点から駅構内のトイレも利用できなくなる。これで宝積寺駅(高根沢町)を除いて、JR烏山線はすべて無人駅となる。JR大宮支社は「利用状況を勘案し、烏山線を持続可能な路線にするため総合的に判断した」としている。