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写真・図版
千葉大会決勝 サヨナラの本塁に滑り込んだ市船橋の花嶋=ZOZOマリン、笠井正基撮影

 (第107回全国高校野球選手権大会1回戦 第5日〈9日〉のみどころ)

①弘前学院聖愛(青森)―西日本短大付(福岡)

 選抜大会8強の西日本短大付の投手陣は安定感がある。福岡大会で右腕・中野琉碧は4試合で2失点、左腕・原綾汰は3試合で2失点だった。

 弘前学院聖愛は、左腕の芹川丈治が緩急を生かした投球で投手戦に持ち込みたい。強打自慢の西日本短大付は、打率4割5分5厘の1番打者、奥駿仁が得点の起点だ。先発が予想される芹川が奥の出塁を防ぎ、青森大会5試合で2失策の守りからリズムを作りたい。

②明秀日立(茨城)―聖隷クリストファー(静岡)

 初出場の聖隷クリストファーは2年生・高部陸が大会屈指の左腕。テンポ良く投じる140キロ台の直球は伸びがある。静岡大会は30イニングを投げて3失点。投球回より多い33三振を奪う活躍だった。

 明秀日立は、長打力のある主将の能戸輝夢が、茨城大会の準々決勝で負傷したのが痛い。打線はチームで統一して狙い球を絞り、得意の小技を駆使して勝機をつかみたい。

③青藍泰斗(栃木)―佐賀北(佐賀)

 35年ぶり出場の青藍泰斗(せいらんたいと)は傑出した選手はいないが、栃木大会5試合で計25盗塁と足を絡めた攻めが特徴だ。中でも、1番打者の鈴木俊世は7盗塁を記録した。

 対する佐賀北の稲富理人と片渕絢心(けんしん)のバッテリーは、先頭打者を出さないよう注意したい。2007年に全国制覇した後、夏の甲子園には3度出場しているが、勝利がない。初戦突破へ、自慢の堅守から攻撃へとつなげられるか。

④市船橋(千葉)―明豊(大分)

 似た特徴を持つチーム同士の対戦。3年ぶり出場の市船橋は千葉大会決勝で延長十回タイブレークの末に4点差を逆転サヨナラ勝ち。明豊も大分大会決勝で九回に勝ち越し点を奪った。

 ともに粘り強く、先発メンバーの9人だけでなく、控え選手も積極的に起用する。ただ、5年連続出場の明豊が経験の差でわずかに優位か。市船橋は高校通算24本塁打の捕手、花嶋大和が攻守で流れを引き寄せたい。

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