食べることは毎日の大きな楽しみです。ただ、年を取るにつれて食べる機能は衰えていきます。病気などにより通常の食事が難しくなることもあります。
こうした人のために、食べやすさに配慮した加工食品も増えてきました。調査会社の富士経済は介護食市場が拡大を続けており、2024年は1200億円を超えると見込んでいます。
ユニバーサルデザインフード(UDF)は、食品メーカーなど96社でつくる日本介護食品協議会が定めた自主規格です。レトルト食品や冷凍食品など約2200点が登録されています。
食品の硬さや粘度を基準に、「容易にかめる」「歯ぐきでつぶせる」「舌でつぶせる」「かまなくてよい」の4区分があります。
「容易にかめる」は硬いものや大きいものがやや食べづらい人向き。「かまなくてよい」は、ゼリー状の飲料など、そのままのみ込めるようにした食品です。
商品にはロゴマークを表示。ドラッグストアや総合スーパー、通信販売などで売られています。
他に、特別用途食品の「えん下困難者用食品」もあります。消費者庁が審査の上で許可しており、現在商品数は41点です。
市販の介護食を家庭でどう使うとよいでしょう。国立国際医療研究センター病院リハビリテーション科の藤谷順子医長は「退院して在宅介護を始める大変な時などは食事の一部に市販品を使うと楽になります」と言います。退院の際の栄養食事指導で、選び方も教えてもらえます。
栄養バランスを整えるために…