普段使っている薬が高くなるかもしれない――。13日に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針」(骨太の方針)に盛り込まれたある方針を巡り、日常的に必要な薬が保険適用外になるのではないかと患者の間で懸念の声が広がっている。
懸念が集まっているのは、「OTC類似薬」の扱いだ。
厚生労働省によると、OTC類似薬とは、市販薬と似ていながら、購入時には医師の処方箋(せん)が必要となる薬のこと。
保険が適用され、購入時の自己負担は薬価の1~3割に抑えられるため、市販薬よりも安く手に入る。
「OTC類似薬」、普段の薬は?
13日に決定された骨太の方針では「OTC類似薬の保険給付のあり方の見直しについて十分な検討を行う」などと盛り込まれた。現役世代の社会保険料の負担軽減をはかるためなどとして、日本維新の会が公的医療保険の対象外とするよう求めてきた。
厚労省によると、現時点ではOTC類似薬の厳密な定義は決まっていないという。見直しの具体的な内容については年内の予算編成までに検討するという。
しかし、維新が自民党・公明党との協議で示したとされる資料の中には、市販薬と成分や一日最大服用量が同じOTC類似薬が具体的にリストアップされ、原則保険適用外にすることが提案されていた。中にはアレルギー性鼻炎や皮膚炎、花粉症、ぜんそくの患者に処方されるものもあった。
これを見た患者やその家族から、普段服用している薬が「保険外し」の対象になるのではと心配する声が上がっている。オンライン署名サイトでは、保険適用除外に反対する署名が、今年3月から6月13日までに8万筆以上集まった。
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