15日にあったプロ野球のオリックス―巨人(京セラドーム大阪)で、10万人に1、2人とも言われるGIST(消化管間質腫瘍(しゅよう))と闘う福森大翔さん(29)によるプレ始球式があった。
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福森さんは大阪桐蔭高の野球部出身で、オリックスの森友哉選手とは高校時代のチームメート。右打ちの強打の外野手として2013年の甲子園に春夏連続で出場し、夏の2回戦ではサヨナラ安打も放った。
2021年11月に腹部に猛烈な痛みを感じて救急搬送。検査の結果、GISTのほか、パラガングリオーマと呼ばれる腫瘍(しゅよう)も見つかった。この二つが同時にできるカーニーストラタキス症候群は報告例も非常に少ないという。
手術で腫瘍を切除したが、再発を繰り返し、今は抗がん剤治療を行っている。
この日の始球式のために、抗がん剤の副作用に苦しみながらもトレーニングを続けてきたという福森さん。最初は腕が上がらず、「5メートルも投げられなかった」というが、始球式では18.44メートルを見事に届かせた。
投げ終わると、捕手を務めた森選手とマウンド付近で抱き合った。
「率直に、色んな人に支えていただいているとマウンドで実感した。少しでも多くの人に、限界を感じることなく前向きにトライすることの大切さや、健康が大事だということを伝えたい」と、始球式に込めた思いを語った。
ボールを受けた森選手は「驚くほど強いボールでした。投げられないときを知っているだけに、うれしい気持ちを込めて『よく届いたな』と声をかけました。オフにはまたキャッチボールをしたい」などとコメントした。