藤代―帝京三 一回裏、帝京三は舩背の左前適時打で二塁走者・小尾が生還して先制=2025年5月18日、ノーブルスタ水戸、池田拓哉撮影

 第77回春季関東地区高校野球大会(関東地区高校野球連盟主催、朝日新聞社など後援)は18日、茨城県内で開幕し、帝京三(山梨2位)は藤代(茨城3位)に4―2と快勝した。

 19日の2回戦で帝京三は浦和学院(埼玉1位)と、初戦の山梨学院(山梨1位)は叡明(埼玉2位)と対戦する。

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 気迫あふれるヘッドスライディングだった。

 五回、帝京三の先頭打者・阿武正人主将(3年)の打球は遊撃へ転がった。171センチ、90キロの体で一塁に頭から突っ込んだ。間に合った。スタンドもベンチもどっと沸いた。

 この日は5番・一塁手で出場。一回には中前適時打でチームに2点目をもたらした。しかし、三回の守備でミスをした。二塁への悪送球で三塁走者が生還し、1点を返された。

 チームは四回に2点を加えて引き離したが、自らのミスに気が沈んでいた。「エラーの分を取り返し、試合の流れを確実に引き寄せたい」。五回の全力疾走は、主将の責任を果たす思いだったという。

 昨秋、仲間に推されて主将になったがレギュラーではなかった。守備は決して得意ではない。だが、練習に人一倍打ち込む姿勢は周囲が認める。

 大牧大輔監督は言う。「彼の頑張りが人と運を引きつける。不器用でも一生懸命やればなんとかなる、というところを見せてくれるんです」

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