日本に滞在していた外国人が受け取る年金の「脱退一時金」について、厚生労働省は、受給の条件や算定方法を見直す検討に入った。外国人が将来、年金を受け取りやすくするため、より長期の加入を促す狙い。近く審議会に検討案を示す。
公的年金は、国籍を問わず加入する。一方、滞在期間が短い外国人が、受給資格期間(10年)を満たす前に日本を出国した場合、「払い損」になる可能性もある。脱退一時金は、こうした点から設けられた制度で、出国後2年以内に請求できる。
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現行制度では、再入国許可を得て出国した場合でも、脱退一時金の受給が可能。ただ、いったん受給すると、保険料の支払い期間がゼロに戻ってしまう。外国人が日本に再入国し、保険料を支払っても、期間が10年に満たなくなる事態も想定される。2022年度に脱退一時金の支給が決定した人の4人に1人が再入国許可を得ていた。
厚労省は、再入国許可を得て…