自民党の裏金事件処分について取材に応じる岸田文雄首相=2024年4月4日午後7時39分、首相官邸、岩下毅撮影

 自民党は4日、派閥の裏金事件をめぐり、安倍派、二階派計39人の処分を正式に決めた。安倍派座長の塩谷立元文部科学相、参院側トップの世耕弘成前党参院幹事長を「離党の勧告」、その他の幹部を「党員の資格停止」「党の役職停止」としたが、党総裁の岸田文雄首相の処分は見送った。

 処分発表後に首相官邸で記者団の取材に応じた首相はこう強調した。「私が信頼回復のために先頭に立って努力しなければならない。それを国民、党員に評価していただく」

 安倍派の裏金作りの実態解明に向けて野党が再三要求していた、元派閥会長の森喜朗元首相に聴取したことをようやく明かしたが、対面ではなかった。「私が直接電話をかける形で事情を聴いたが、具体的な関与は確認できなかった」。関係者によると、聴取は今週行われたという。

 十分な時間をとっての記者会見は行わなかった。理由を問われると「幹事長の要請で党紀委員会が開かれる。幹事長と党紀委員長が会見を行った」と手続きを説明。党内からは「逃げているように見られる」(閣僚経験者)との苦言も漏れた。

 そもそも党執行部は2日に処分内容を決定する方針だったが詰め切れず、党紀委員会が開かれる4日までずれ込んだ。調整機能の欠如に、岸田派のベテラン議員は「みっともない」とため息を漏らした。

 処分をめぐる土壇場での迷走…

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