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「平和スポットへのいざない」を執筆した小川未来さん(左)とチェイニー増田育子さん=2025年6月29日午前11時55分、大阪市北区、甲斐江里子撮影
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 大阪府内の学校教員らが「全国平和スポットへのいざない」と題する本を出版した。各地の資料館や戦闘機の墜落現場、砲台跡など戦争や災害にまつわる場所をとり上げつつ、その周辺のグルメや温泉の情報も紹介する。戦後80年の今年、「平和について、気軽に考えるきっかけにしてほしい」という。

 本で紹介されているのは北海道から沖縄までの22カ所。広島県の大久野島にある旧日本軍の毒ガス工場跡など戦時を学ぶ平和学習の訪問先になってきた場所のほか、海岸沿いの集落に立つ反戦川柳作家の句碑や、寺の奥にたたずむ軍人像など戦争や災害、事故の記憶をとどめるスポットが紹介されている。

 執筆したのは、府内の中学・高校の教員や元教員の8人で、それぞれが各地を訪れて地元の人に取材をした。

 著者の一人、チェイニー増田育子さん(40)は、自身も戦争を体験していない中での学校での平和学習の難しさを感じてきた。子どもたちに史実を教えるだけになってしまうことも。今回、各地をめぐり、平和のありがたさをより実感できた。本を手にとった人にも、現場をめぐって「しみじみと平和を感じてほしい」と話す。

 今回の本では、幅広い人が現地を訪ねるきっかけになればと、近くのグルメや温泉も盛り込んだ。著者の一人の小川未来さん(38)は「平和であるから日々の生活ができるはず。気軽に本を手にとってほしい」と話す。

 「全国平和スポットへのいざない 22カ所の巡礼手帖(てちょう)」(かもがわ出版)はA5判、120ページで1400円(税抜き)。

 7月14日午後7時から、本の中でも紹介されている広島市中区のソーシャルブックカフェ「ハチドリ舎」で、出版記念イベントが開かれる。無料(ドリンクの注文が必要)で、オンライン参加も可。詳細、申し込みはフェイスブックページ(https://www.facebook.com/events/722581097043644別ウインドウで開きます)へ。

 8月15日午後2時からは神戸市須磨区の井戸書店でイベントがあり、入場料1千円。問い合わせは同書店(078・732・0726)へ。

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