Smiley face
写真・図版
高校生平和大使に選ばれ、記者会見で意気込みを語る本多未侑さん=2025年5月27日午後4時32分、佐賀県庁、岡田将平撮影

 核兵器廃絶を求める署名を国連に届ける役割などを担う今年度の「高校生平和大使」に佐賀県内から致遠館高校2年の本多未侑さん(17)が選ばれた。平和を考える原点にあるのは、子どもの頃に出会った絵本という。

 28代目となる今年度の高校生平和大使の県内の選考会は4月にあり、本多さんが25人の中から選ばれた。5月27日に記者会見に臨んだ本多さんは「平和は与えられるものではなく、自ら築き上げていくものということを行動で示していきたい」と語った。

 本多さんが「一番古い平和に対する記憶」と話すのが、戦争を題材とした「ちいちゃんのかげおくり」。寝る前に母に読み聞かせてもらったという。中学生の時には、家族で広島に旅行に行き、平和記念資料館を訪れるなど、折に触れて平和について考えてきた。

 高校生平和大使には前年も応募し、選ばれなかったものの、核兵器廃絶を求める街頭での署名集めにかかわった。なかなか足を止めてもらえないなど、難しさも感じたが、温かい言葉をかけてくれる人もいた。「やっぱり伝えていかなければならない」と思ったという。

 「まずは関心を持ってもらうことが一番」。若い世代に向け、SNSでの発信にも取り組みたいという。

 今年、全国で選ばれた高校生平和大使は24人。6月14~15日に広島市で研修や結団式があり、8月末からスイスにある国連欧州本部などを訪れる予定だ。

共有