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ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)でアソシエイトシニアフェローを務める核軍縮の専門家、ハンス・クリステンセン氏=本人提供

 10日に日本被団協(日本原水爆被害者団体協議会)に贈られるノーベル平和賞は、核軍縮や核廃絶をめぐる活動をしてきた個人や団体にくり返し授与されてきた。では、今回の授賞はいかなる意味を持つのだろうか。

 「非常に時宜を得ている。核兵器が使用されるリスクは高まっており、長く闘い続けてきた日本の人びとにとって、正直、当然の栄誉だと思う」

 ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)の核軍縮専門家ハンス・クリステンセン氏は、被団協の受賞をそう見る。

 SIPRIは毎年、核兵器に関する年鑑を発行し、クリステンセン氏も共同著者に名を連ねる。今年1月時点の世界の核弾頭数は推定で1万2121発。そのうち、ロシアと米国が全体の9割近くを占める。中国は前年より約90発増やした。

 「米国、ロシア、中国という大国が公然と、敵対的な軍事的競争を再開している。核兵器使用のリスクが冷戦後最も高いことは疑いようがない」

 平和賞はアルフレッド・ノー…

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