以前は企業の工場があった平城宮跡南側地区=2025年1月3日、奈良市三条大路4丁目、阪田隼人撮影

 奈良市の平城宮跡歴史公園内の県有地の活用をめぐり、奈良県は21日、「食」と「クリエーティブな活動」をコンセプトに、奈良の食文化を生かしたレストランやカフェ、宿泊施設などの誘致を進める方針を発表した。インバウンドの集客も見込み、2026年度に民間事業者を選定したうえで28~31年度に整備する予定だ。

 この日開かれた、5回目の県観光戦略本部・平城宮跡周辺エリア部会で方針が了承された。平城京は「遣唐使や渡来人により多くの文化や技術が持ち込まれ、日本の食文化のルーツが築かれた」として、食のハブ拠点の創出を目指す。

 対象となる県有地は、もともと工場や民家が並んでいた計9ヘクタール。すでに観光案内施設や復元された遣唐使船がある朱雀大路西側(3・1ヘクタール)のほか、駐車場や空き地となっている平城宮跡南側(5ヘクタール)や朱雀大路東側(0・9ヘクタール)が含まれる。前知事時代には、カフェや歴史体験学習館などが計画されていたが、山下真知事が就任後に見直しを指示した経緯がある。

 部会終了後、山下知事は「ありふれたものをやろうという気持ちはない。国内外の人に訴求できるコンテンツをつくり、これまでにないスペースにしたい」と話した。

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