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油須原駅に入る平成筑豊鉄道の列車=2024年7月18日午前11時43分、福岡県赤村赤、岩田誠司撮影

 平成筑豊鉄道(福岡県福智町)が、修繕コストの増大などを理由として、沿線の9市町村に対し2億5千万円の追加支援を打診したことが分かった。9市町村は31日に担当課長会議を開き対応を協議。同社からは資金がショートする時期についての説明もあったといい、この日は結論は出ず、各自治体はそれぞれ対応を協議し改めて意見の集約を図るという。

 会議は田川市役所で非公開で開かれ、出席者によると、打診はこの日までに同社から各自治体にあった。会議では、同社側が不足する資金額を説明した後、各自治体の担当者が追加支援や金融機関からの借り入れなど、資金繰りの方法について意見を述べた。

 生活や通学の足となっている鉄道が急に止まるのは困るという点では意見が一致しているが、資金繰りの方法についてはまとまらず、経営努力や工夫が足らないのではないかという厳しい声もあがったという。

 9市町村は、経営安定化助成金として今年度すでに3億400万円を助成している。だが、同社によると、材料費の高騰などにより追加の支援を求めざるを得ない状況になったという。

 同社は、今後30年鉄道を存続するためには、沿線市町村からの助成金が現在の3倍以上となる年約10億円必要という試算を示しており、鉄道存続の是非を含めて今後の地域交通のあり方を考える「法定協議会」の設置を要請している。(岩田誠司)

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