メディア空間考 板垣哲也
年金制度改革について議論する厚生労働省の審議会の最年少委員で、社会起業家のたかまつななさん(31)が先月、制度への理解を広げるための情報発信の強化や市民との対話の促進を求める要望書を同省に提出した。
きっかけとなったのは今年はじめ、厚生年金の保険料算定のもとになる「標準報酬月額」の上限を引き上げる見直し案についての自身の情報発信をめぐり、ネット上で「炎上」したことだ。
一般に、厚生年金の保険料は給料の18.3%(労使折半)と言われているが、実際には32の等級に分けた「標準報酬月額」に当てはめて計算されている。上限は65万円で、それ以上の給料でも65万円として保険料を算出する。賃金の上昇に伴い、この上限に該当する人は増えている。
見直し案は、この上限を引き…