5年に1度の年金制度改革をめぐり、法案の国会提出に向けた作業が大詰めの段階だ。106万円や130万円の「年収の壁」対策も盛り込み、政府は3月中旬の提出をめざす。ただ、年金問題は政権の「鬼門」ともみられ、今夏の参院選を見据えて与党内には提出に慎重論もくすぶり、先は見通せない。
「大事な法案についてはまず自民党が法案審査を行い、その後公明党が審査を行うというのが順序。今日は法案の概要説明にとどめる」。2月28日に開かれた公明党の厚生労働部会で、浜地雅一会長はこう述べた。
政府の提出法案は、事前に与党の了承を得るのが通例。その際、自民・公明両党は、政策を議論する党内の「部会」を双方が同じ日に開くなど足並みをそろえるが、この日、自民の部会開催は見送られた。今夏の参院選挙への影響を懸念する声が党内に強く残り、調整が難航しているからだ。
2007年の参院選で自民党…