5年に1度の年金制度改革にあわせた年金関連法案が20日、衆院本会議で審議入りした。当初、目玉とされた今後目減りが続く基礎年金の底上げ策は自民党の都合で削った。それに対して野党各党は、底上げ策を戻すよう求めた。立憲民主党などは修正案を出す予定で、与野党が修正協議で歩み寄れるかが焦点だ。
「ようやく出された法案が骨抜きになっていることに対して怒りを込めて抗議します」
この日の衆院本会議での質疑で、立憲の井坂信彦議員は声を荒らげた。法案の提出時期が2カ月ほど遅れた上に底上げ策を抜いたことへの批判だ。
基礎年金の底上げ策は、厚生労働省が就職氷河期を含む現役世代の将来の低年金対策として、法案に盛り込もうとしていた。ところが、底上げのために、厚生年金の積立金を活用することや、将来、兆円単位の公費負担が生じる可能性があることなどから、今夏に参院選を控えた参院自民を中心に反対意見が噴出。議論は手詰まり状態となり、法案提出が約2カ月遅れた。
基礎年金の底上げ策は、実質…