賞味期限切れや食べ残しなど、まだ食べられるのに捨てられてしまう「食品ロス」。国内では2023年度の推計値が464万トンで、最小値を更新した。
一方で、食品加工の段階で出る野菜の切れ端や飲料の搾りかすといった食品残さや、産地で出る規格外作物はこの数字には含まれておらず、年間約2千万トンが廃棄されているとされる。「まだ食べられるのに、もったいない」。ASTRA FOOD PLAN(アストラフードプラン)社長の加納千裕さん(38)は、見過ごされているこれらを「かくれフードロス」と名付け、削減へと奔走している。
独自開発の機械「過熱蒸煎(じょうせん)機」に野菜の切れ端などを入れ、300~500度の過熱水蒸気で乾燥・殺菌し、パウダー化。新しい食品原料に再生する。乾燥にかかる時間は、フリーズドライや熱風といった方法では1日ほどかかることもあるが、過熱蒸煎機を使えば5~10秒と短く、エネルギーコストが抑えられる。食材の風味の劣化や栄養価の減少も抑えられるという。
起業のきっかけは父
起業のきっかけは父だった…