32年前、ひとりの小学1年生が短すぎる生涯を閉じた。彼が遺(のこ)したアサガオを母が守り続けている。各地で根を張り、いつしか「命のアサガオ」と呼ばれるようになった。今年もその種が、彼が3カ月だけ通った小学校の後輩たちに贈られた。
新潟県の胎内市立胎内小学校。5月2日、丹後まみこさん(67)が1年生33人に向き合った。丹後さんの隣には、子どもたちの先輩にあたる次男光祐(こうすけ)さんの写真が掲げられていた。
「じゃあ光祐のことをお話ししますね」。丹後さんは語り始めた。
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元気な年長児に訪れた異変
光祐さんは1986年8月…