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2024年3月の神戸市東灘区ジェンダーしゃべり場では、灘中学・高校教諭の片田孫朝日さん(右)をゲストに迎え、性教育やワークライフバランスについて対話した=しゃべり場提供

 神戸市東灘区の女性たちが手作りで始めた「ジェンダーしゃべり場」が、じわじわと広がりを見せている。性差別やセクハラ、結婚、子育て、性教育など日々の「モヤモヤ」を「気軽に、安全に」定期的に話せる場を開いて約3年。次回5月11日は、昨年注目を集めたNHK連続テレビ小説「虎に翼」をテーマに、ジェンダーや民族、性的マイノリティーについて語り合う。

 しゃべり場は同区在住の作家、アルテイシアさんと同区内の市議や県議、友人らと2022年9月に始めた。ゲストとアルテイシアさんが対談した後、参加者が数人のグループに分かれて話し合う。「私はこう思う」と主語は自分、人の言うことを否定しないで尊重し合う、というルールのもと毎回、50人前後が参加する。9割が女性で、中学生から80代まで幅広い。

 過去17回、開いてきた。特徴は50分のグループトーク後、初対面にもかかわらず「竹馬の友のように」打ち解け、参加者限定のオープンチャットで困りごとや共有したい話題について連絡をとりあう仲間ができることだ。1人で悩んでいたら実行できないことも、仲間がいると思うと一歩踏み出せるようになるという。

 しゃべり場の原点は、痴漢撲滅行動だ。アルテイシアさんの読者だった同区の女性が、入試日に受験生を狙った痴漢行為を呼びかけるSNS上の投稿があると知り、21年末、街宣活動をしていた女性議員に相談した。

 女性自身にも痴漢被害の経験…

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