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体育の授業をする専科教員の三上直之・主任教諭=6月6日、東京都江戸川区、高浜行人撮影
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 小学校で、一部の教科の授業を学級担任ではない教員が担当する「教科担任制」を、現在の5、6年生に加え、3、4年生にも広げる。働き方改革の一環で、文部科学省がそんな方針を決めた。導入している学校では教員の専門性が高まるなどの効果が出ている一方、課題も浮かんでいる。

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 今年の1学期の平日、東京都江戸川区の区立西小岩小学校の校庭で、三上直之・主任教諭が、集まった5年生にそう呼びかけた。体育の授業での短距離走の様子だ。

 三上教諭は学級担任をせず、体育を専門に教える専科教員。もともとは中学で教えていたが、同校が昨年度から都の教科担任制推進校に指定されたのに合わせて赴任した。5、6年の体育の週12~13コマを担当し、空き時間には授業準備をしたり、トラブルを未然に防ぐために校内を見回ったりしている。「担当教科に専念することで専門性を深め、授業に生かせる」とメリットを話す。

 大野知子校長によると、体育は器具の準備や片付けに時間を要するが、複数コマを1人で担当する分、作業が効率的になった。運動会や水泳授業といった負担の重い活動も、三上さんが中心的に担うことで円滑に進むようになったという。

 同校ではもともと、都教育委員会による追加配置で音楽と図工、家庭、外国語の専科教員がいた。体育専科が加わるのを機に、5、6年生では担任を持つ教員にも専門教科を割り振って完全な教科担任制に。担任としての授業は学級活動と道徳、総合学習のみになった。

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