米ペンシルベニア州で13日、トランプ前米大統領が演説中に銃撃される事件が起きた。米国でくり返される政治的暴力の背後には何があるのか。事件は米国政治にどのような影響を与えるのか。渡辺靖・慶応大学教授(現代アメリカ論)と前嶋和弘・上智大学教授(米国政治)に聞いた。
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渡辺靖・慶応大学教授(現代アメリカ論)
今回の事件の動機はまだ明らかでないが、米国では近年、共通の現状認識を持つことすら困難になるほど党派対立が深まり、その結果として起きたとみられる事件が相次いでいる。
代表的なものが2021年の連邦議会襲撃事件や22年のペロシ下院議長(当時)宅の襲撃事件だ。連邦議員への脅迫事件も相次いでおり、18年の約5200件から23年には約8千件にまで増えた。
こうした状況はケネディ大統…