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連載 混迷を歩く アメリカ大統領選2024:黒人編②

米サウスカロライナ州ウェストコロンビアで1月28日、教会を訪れたバイデン大統領(手前左から3人目)=ロイター

 民主党のバイデン米大統領は1月27日、南部サウスカロライナ州を訪れ、地元のジム・クライバーン下院議員との会合で、「彼のおかげで大統領になれた」と持ち上げた。

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 黒人の有力政治家であるクライバーン氏は、2020年の大統領選に先立つ予備選でバイデン氏への支持を打ち出し、バイデン氏が党の候補者指名を得る流れをつくった。バイデン氏がクライバーン氏に手厚い配慮を示したのも、これを踏まえたものだ。バイデン氏は24年も、年明けからサウスカロライナ州に何度も足を運び、黒人が通う教会で演説を重ねてきた。

 黒人有権者が長年、圧倒的に民主党に投票してきたことには歴史的な理由がある。公民権運動の高揚を受けて1964年に公民権法が制定され、翌65年には、投票における人種差別をなくす投票権法が成立した。それまで、かつて奴隷制のあった南部の州では、投票税や読み書きテストが課せられており、黒人の投票権は事実上剝奪(はくだつ)されていた。

民主党支持ささえた差別の歴史と帰属意識

 二つの法案に署名したのが…

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