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記事の元になったSNSアカウントがなりすましだったとして、毎日新聞のサイトに掲載された謝罪=2024年11月5日

 毎日新聞がSNSのなりすましアカウントの投稿を元にした記事をデジタル配信し、削除する事態になった。問題はなぜ起きたのか。

毎日新聞「なりすましアカウントを誤認」 記事削除

 記事は5日昼に配信された。人気アイドルグループのメンバーのSNSの発信について「32歳の誕生日に『感謝だらけの日々です』 メンバーやファンから祝福の声」と紹介する内容だったが、3時間後、「アカウントはなりすましとみられることが分かった」として削除された。

 同社によると、参照したのはX(旧ツイッター)の投稿。「引用したアカウントは【公式】を掲げて数万人のフォロワーがおり、ファンとみられるアカウントから誕生日を祝福する多数の投稿があったため、本人のアカウントと誤認した。確認が不十分だった」としている。

 記事は「エンタ・ボックス」というコーナーに掲載された。始まったのは10月28日で、1日20本前後の記事が配信され、大半が芸能人らのSNS投稿やテレビ、ラジオでの発言を伝える内容だった。

 記事は外部のコンテンツ制作会社が作り、双方でチェックしていたという。本人や関係者への取材をしていたかについては「記事ごとにケース・バイ・ケースで異なるため、一概にお答えできない」としている。

 毎日は記事を削除した翌日の11月6日から、同コーナーの新たな記事の配信を停止した。理由については、「期間限定で試験的に(外部から)記事の提供を受けた。本事案を含め、提供された記事の内容や効果を総合的に判断して、試験運用を終了することにした」と答えた。

PVを重視、「こたつ記事」の専従班も

 ネットやテレビでの著名人の発言などを引用し、ネット上の反応などをまとめて紹介する手法の記事は、2010年代以降、ネットメディア中心に増えてきた。必要な取材をせず「こたつに座ったままでも書ける」という意味で、「こたつ記事」と呼ばれる。

 ネット上でメディアが収益を…

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