1945年8月6日に広島に原爆が投下されてから80年。愛知県内の高校生が6日、広島市の平和記念式典に参加する。その後、平和記念公園にともされている「平和の灯」を採火。70人ほどの生徒が自転車でリレーし、約500キロ離れた名古屋市まで、平和を願ってペダルをこぐ。
私立高校生を中心につくる「愛知県高校生フェスティバル実行委員会」が企画した。5日夜にバスで名古屋市を出発。約80人で午前中の式典に参加し、広島平和記念資料館を見学する。午後1時からは現地で「平和の灯」の採火式をし、自転車リレーをスタート。全区間参加者27人(15校)と、部分参加者49人(14校)が7日間かけ、ゴールである名古屋市中区の東別院を目指す。
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実行委は今年、世界各地の戦争や紛争について学び、平和を考える「戦後80年・未来プロジェクト」を企画。
戦争体験者から話を聞いて語り継ぐ活動をはじめ、昨年12月にノーベル平和賞を受賞した日本原水爆被害者団体協議会に所属する被爆者の講演会などを開いてきた。今回の自転車リレーもその一環だ。
広島から岡山、兵庫、大阪、京都、滋賀を通るルートで、中継地などでは地元の高校生との交流会や討論を予定。空襲の語り部からも話を聞くという。
7月30日には愛知私学会館(名古屋市熱田区)で事前説明会があり、17校から55人の生徒が集まった。
実行委副委員長で愛知高校2年の柴田果歩さん(16)は「現地に行くからこそ、学びを五感で吸収し、愛知に帰ってからその思いを広げていこう」と呼びかけた。
自転車リレーに参加する生徒たちは「今の日常生活は平和だからこそ送れている。戦争には『無関心』でも『無関係』ではいられない」「自分は怖くて戦争から目を背けてきた。戦後80年をきっかけに今年、学びをスタートさせようと思った」と意気込む。
ゴールは12日夕方の予定。運んだ平和の灯は、参加した生徒の学校に分け、各校で秋にある文化祭などの企画につなげていくという。