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課題にしていた打撃でも成績を伸ばしている広島・矢野雅哉選手=2024年8月23日、マツダスタジアム、上山浩也撮影
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 優勝争いが激しくなってきたプロ野球。堅守を誇る広島で遊撃手に定着しつつあるのが、4年目の矢野雅哉だ。広い守備範囲と、驚くような強肩が武器。課題にしていた打撃も徐々に向上し、しぶとく戦うチームの一翼を担う。

 「あの守備は大きかった。2打点くらいの価値がある素晴らしいプレー」「あれは矢野にしか出来ないプレーだと思う。ヒット3本分くらいの価値があるプレーだった」

 試合後に新井貴浩監督が時折、口にする。広島の内野守備といえば美技を連発する菊池涼介の印象が強いが、その菊池と組む二遊間は一見の価値がある。

 矢野は大阪府出身。兵庫・育英高では3年生の夏、9番打者だった。進学した亜大では、まわりのレベルの高さに驚いた。だが、1球に対する執着心を信念に、3年秋には東都大学リーグで首位打者を獲得。「誰よりも必死に、何とかしてやろうと思い続けてきた。とにかく野球が大好きなので、大好きな思いをプレーに表す。技術は、試合に出たらついてくる。いまも、そう思い続けてやっています」

 三遊間の深いゴロを捕ったあと、一塁へ矢のような送球でファンを魅了する。投手経験はないが、大学時代に球速を測ると150キロをマーク。遠投は約130メートルで、その遠投が広島のスカウトの目にとまったのがプロへの一歩になったそうだ。

 2020年のドラフト会議で…

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