Smiley face
写真・図版
渡部朋子さん

 退陣する岸田文雄首相。広島県選出で「核兵器のない世界」を掲げた首相への期待は、3年間でどう変わったのか。被爆地・広島を拠点に活動するNPO法人『ANT―Hiroshima』理事長の渡部朋子さんに聞きました。

     ◇

 「広島を『貸座敷』にしないで」。これは、平岡敬(たかし)・元広島市長の言葉です。被爆地・広島を都合良く利用しないでくれという意味で、私もよく使わせてもらっていますが、岸田文雄首相は見事に広島を「貸座敷」にしてしまった。その罪は深いと思います。

 昨年5月に広島で開催された主要7カ国首脳会議(G7サミット)。発表された「核軍縮に関するG7首脳広島ビジョン」は、核抑止力維持の重要性に触れ、核軍縮に「条件」をつけるなど、「核兵器のない世界」への決意や道筋を示したとは到底言えません。あのようなものに「広島」が冠されたことへの怒りはいまだ収まらない。取り消してもらいたいです。

 岸田さんが首相になった時…

共有