広島市の平和記念公園にある原爆死没者慰霊碑の前で22日、34万4319人の名前が記された原爆死没者名簿の「風通し」があった。被爆80年を迎えるのを機に、名簿が保管されている石室が初めて報道機関に公開された。
風通しは、梅雨入りの前に湿気を取り除き、傷みがないかを確かめる恒例の催し。名簿は昨年8月6日に新たに5079人の名が加えられ、計129冊に上る。原爆投下時刻の午前8時15分に市職員16人が黙禱。慰霊碑の地下にある石室から取り出し、氏名や死没年月日などが記されたページを丁寧にめくって、風に当てた。
石室は再び名簿が収納された状態で公開された。高さ1.23メートル、幅2.3メートル、奥行き3メートルのひんやりとした空間に、名簿の納められた28の奉安箱が棚に並んでいた。
昨年8月6日以降に亡くなった被爆者の名簿は、今年8月6日の平和記念式典で奉納される。