国際機関での日本人職員の増加をめざす外務省の「平和構築・開発におけるグローバル人材育成事業」に、広島大学と国連訓練調査研究所(ユニタール)広島事務所が共同で取り組むことになった。広島での研修で、被爆の歴史や復興プロセスを見てもらえることに意義があるとしている。
広島大の越智光夫学長とユニタール広島事務所の三上知佐所長が10月23日に記者会見して発表した。2024年度から26年度まで事業を担当する。
具体的には、初級コース(24人、4週間)や中級コース(20人、7日間)の研修、若手人材のJPO(ジュニア・プロフェッショナル・オフィサー)赴任前研修(40人、4日間)などを実施する。
広島大は紛争地(アフガニスタン、ウクライナ、ミャンマーなど)を含めて数多くの留学生を世界中から迎え、グローバルな人材育成に取り組んできた。越智学長は「今年度に外務省から採択を受けたのは、これまでの本学のグローバル人材育成の実績が高く評価されたためと認識している」と述べた。
ユニタール広島事務所は2003年に設立されて以来、累計6万人以上に対面式やオンラインの研修を重ねてきた実績がある。三上所長は「多国間主義で解決する重要性が増している。解がない課題に立ち向かっていく人材が必要。広島大と共同で取り組むことに意義がある」と語った。(編集委員・副島英樹)