広島県呉市の日本製鉄瀬戸内製鉄所呉地区(日鉄呉)跡地への「多機能な複合防衛拠点」の整備案を巡り、中谷元防衛相は6日、これまで県、市、日鉄に防衛省が整備案を説明してきた4者協議について「役割を終えた」との認識を示した。
3月31日の4者協議で、同省は防衛拠点内の施設の配置を示す「ゾーニング案」を説明。県はこれを受け、「雇用を含め、地域への影響や将来性が不明」として引き続き詳細な説明を求めていた。市は「要望をしっかり考慮いただいた上で策定された」と評価している。
中谷防衛相は4月6日、陸海空自衛隊の共同部隊「海上輸送群」の編成完結式のために海上自衛隊呉基地を訪れていた。報道陣から地元同意の必要性について問われると、「今後はまずは地元の皆様で議論をいただくもの」と述べた。その上で「4者協議はゾーニングをお示しをすることを目的として開催してきた」として「その役割は終えた」との認識を示した。
今後は具体的な施設の配置規模などを検討していくといい、現時点では米軍と共同使用する計画はないという。