横田美香氏=2025年9月2日午後2時15分、広島県庁、山中由睦撮影

 10月23日告示、11月9日投開票の広島県知事選に、前副知事の横田美香氏(54)が2日、無所属での立候補を表明した。横田氏は会見で、今期限りで退任する湯崎英彦知事(59)の政策を継承する考えを示した。知事選への立候補表明は横田氏が初めて。

 横田氏は会見で「湯崎知事は16年で実績を上げている。基本的には湯崎県政を引き継いでいく」と述べた。そのうえで、新たな取り組みにも挑戦したいとして「一人ひとりが活躍できる社会をつくりたい」と語った。若者や女性が住みたくなる地域づくりや防災・減災対策、農業支援などを政策として掲げた。

 4期目の湯崎知事は8月、立候補しないことを表明した。この表明前日、横田氏は湯崎氏から知事選への挑戦を打診され、立候補を決めたという。

 横田氏は広島県呉市出身。東京大を卒業後、農林水産省で食の安全や就農者の支援に関わった。富山県副知事などをへて、今年4月に広島県副知事に就任。今月1日に退職した。横田氏は県議会主要3会派に支援を求める考えという。

支援呼びかけに県議会3会派は…

 立候補を表明した横田氏は、支援を求める相手として県議会の知事与党3会派を挙げた。湯崎知事を支えた前副知事からの呼びかけに、3会派はどう対応するのか。

 3会派は最大会派の「自民議連」と、立憲民主や国民民主などの議員でつくる「民主県政会」、「公明党」。

 自民議連の中本隆志・自民県連会長代理は2日、対応は今後決めるとしたが、「個人的には人柄も良く、発想力もある方だと思う」と語った。ある自民県連幹部は「選択肢はほかにない。県議らが中心に支援する形になるだろう」と言った。

 民主県政会に所属する滝本実・立憲県連幹事長は「湯崎県政は評価すべき点があるが、次の知事像がどうあるべきか討議したい」と話した。ただ、独自候補を擁立する動きは、今のところないという。

 公明党団長の栗原俊二・公明県本部代表は「横田氏から支援の要請があり次第、決めていきたい」とした。

 一方、4年前の知事選で候補者を擁立した共産党の県委員会は、独自候補の擁立にむけて検討を進めているという。

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