広陵高校(広島市)の硬式野球部が3月、日本高校野球連盟から「厳重注意」を受けた暴行事案をめぐり、加害者とされた生徒の1人が、SNSへの投稿で名誉を傷つけられたとして、被害者の元部員の親権者やSNSに投稿した氏名不詳者に対する名誉毀損(きそん)容疑の告訴状を東京地検に提出した。
10日に提出された告訴状では、生徒は1月、寮で禁止しているカップラーメンを食べたことを注意する際、下級生の元部員の肩を押したり胸を小突いたりしたと認めている。
しかし、元部員の親権者は7~8月、「合計100発をも超える集団暴行」などとSNSに投稿。その後、氏名不詳者が「恐喝もしていた」などと事実と異なる投稿をした結果、生徒の実名がさらされ、名誉を毀損されたと訴えている。
この事案では、暴行に関わった人数などで学校が確認した内容と元部員の訴えが食い違い、学校は第三者委員会で再調査することを決めた。
広陵の硬式野球部では、別の元部員も部内での暴力・暴言を訴えている。二つの事案は全国高校野球選手権大会(朝日新聞社、日本高野連主催)の開幕後にSNSなどで広がり、同校は大会の出場を1回戦終了後に辞退。8月20日付で中井哲之監督が退任した。