【動画】広島電鉄の「駅前大橋線」が運行開始、一番電車出発セレモニー=上田潤、山中由睦撮影
JR広島駅ビル2階に乗り入れる広島電鉄の新路線「駅前大橋線」が3日、開通した。JRから路面電車の乗り換え時間は約70秒短くなり、広島駅から市中心部の八丁堀・紙屋町までの所要時間も約4分短縮される。広島市によると、路面電車が高架を通って駅ビルに乗り入れるのは全国でここだけだ。
3日朝、広島駅で開かれた出発セレモニーには、多くの鉄道ファンらが駆けつけた。駅前大橋線の沿道では、住民らが「おめでとう!駅前大橋ルート開業」と書かれた横断幕を掲げた。
これまで広島駅の広電のホームは1階にあり、JRの改札階から下りる必要があった。広島市中区の斉藤裕之さん(49)は、路面電車を乗り継いで山口県に新幹線通勤している。「毎日のことなので大変ありがたい。利便性向上で広電の利用は増えるのではないか」
広電は来春、市内の回遊性を高めるため新たな循環ルートを開通させる。広島駅の地元、松原町内会の中村興夫(たつお)会長(85)は「ほかの大都市に負けない立派な玄関口になった。これを機にさらに街を発展させてほしい」と話す。
被爆80年を迎えた広島で、新たな路線を走り始めた路面電車。その姿に、原爆投下のわずか3日後に運転を再開した「一番電車」を重ねる人もいる。
被爆3日後に始動「運賃は取らないでいい」
午前6時1分、広島駅のホー…