大垣日大―西日本短大付 力投する大垣日大先発の中野翔=滝沢美穂子撮影

(20日、第97回選抜高校野球大会1回戦 西日本短大付6―0大垣日大)

 完璧な立ち上がりだった大垣日大(岐阜)の先発・中野翔真投手に四回、試練が待っていた。快足の1番打者に安打を許し、犠打で1死二塁。ここから3番と4番に連続適時打を打たれた。「スライダーを狙われていた」

 序盤はスライダーや直球が走った。「調子は良かったです」。だが昨夏の甲子園16強のメンバーが残る西日本短大付(福岡)は、その試合巧者ぶりを発揮する。

 打順が一巡すると、低めの変化球を見極められるようになり、ストライクゾーンでの勝負が増える。緩急で抑えようとしたが五回、またしても1番を塁に出し、4番に適時打を打たれるなど差を5点に広げられ、突き放された。「高めに浮いてしまった。甘い球は仕留めてくる。打者のレベルが高い」

 西河遥人捕手は「思ったより3、4番のバットが振れていた。2巡目からこちらのペースを乱された」と悔やむ。

 背番号10。コンディション不良で登板しなかった背番号1の谷之口翔琉(かける)投手と切磋琢磨(せっさたくま)を続けてきた。昨秋の東海大会は準々決勝で谷之口投手が完投、決勝では中野投手が完投、準決勝は2人の継投でいずれも勝った。

 1学年下の谷之口投手は「苦しい場面でも表情に出さずドンドン投げていて先輩らしいと思いました。翔真さんと2人で投げて勝ってきた。援護に行けなかったのが悔しい」。

 不運な当たりもあって6失点したが、被安打9と大崩れしなかった。「もっとチェンジアップやカーブを多めに使っていれば抑えられた」と強気に振り返った。

 次の目標は決まっている。「直球で空振りを取れるようにし、変化球の切れを上げ、夏の甲子園に戻って来られるよう頑張ります」

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