【神奈川】新型コロナの流行が収まり、使われなくなったアクリル製のパーティションを使って、アート作品をつくる活動が24日、相模原市南区の大野小学校であり、3年生の児童らが参加した。
包括連携協定を結ぶ市と多摩美術大学が企画した。海洋プラスチックなど環境問題を一緒に考えようと、生産デザイン学科の浜田芳治教授、尾形達准教授と学生が指導役を務めた。
アクリル板は、市のSDGsパートナーの企業や法人が使っていたものを提供してもらった。
浜田教授がプラスチックで汚染された海の様子をビデオ映像で紹介。尾形准教授は廃棄物になるはずだったアクリル板を材料に、価値あるものを新たにつくる「アップサイクル」の考え方を説明した。
児童が描いたクラゲやイルカ、タコなど海の生き物の下絵をもとに大学生があらかじめ切り抜いたアクリル板を、児童らがプラスチックにも塗れる色鉛筆で着色した。
イルカを作画した下谷(したや)桜空(さら)さん(9)は「水族館のショーでジャンプする姿を描いた。プラスチックで海が汚れるのは悲しい。生き物が楽しく生きられる、きれいな海の大切さを大人にも伝えたい」と話した。
指南役として参加した大学生の1人、山野岳さん(19)は「子供の目を通した生き物の姿や色は、私たちの常識と違い、刺激を受けた」と語った。
作品は完成後に小学校の隣の大野中まちづくりセンターに飾りつけて海の中を再現し、地域のフォトスポットにする予定という。(三木一哉)