会場の校庭や体育館は参加者であふれた=2025年4月27日午後0時2分、京都府舞鶴市三浜、今林弘撮影

 廃校の母校でジャズを歌いたい――。徳永明夏(さやか)さん(42)は今春、こんな願いをかなえた。京都府舞鶴市内で現存する唯一の木造校舎は朽ちていくばかり。ジャズを習って5年、本職は福祉施設職員の徳永さんの背中を押したのは、そんな母校の姿だった。

 「白いなぎさに青い海 しずかな明るい朝の浜~♪」。4月27日、徳永さんは、旧丸山小学校で唯一使える体育館で、電子ピアノとベースのリズムに身を任せ、ジャジーな歌声を響かせた。

 曲は、今でもそらで歌える校歌を、徳永さんのジャズボーカルの先生で、作曲家の金谷康佑さんが、メロディーはそのままにジャズ風にアレンジした。歌い終わると、狭い体育館に集まった聴衆から拍手を浴びた。

 市によると、夏は海水浴客でにぎわう竜宮浜に近い旧丸山小学校は、児童の減少などで1998年に廃校となった。木造校舎の風合いなどから映画のロケ地にもなり、屋根の張り替えもしたが、築70年を超える校舎は老朽化が激しい。取り壊しも含め、校舎をどうするかは30年近くたっても決まっていない。

■朽ちる校舎にショック「歌わ…

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