名古屋学院大学経済学部(名古屋市熱田区)の杉浦礼子教授のゼミに所属する3年生が、愛知県瀬戸市特産の里芋「赤だつ」を使った冷凍コロッケ「お父さんボール」を考案した。廃棄されがちだった親芋を使った「アップサイクル商品」で、22日から同市品野町の道の駅「瀬戸しなの」で限定販売が始まった。
杉浦ゼミでは2021年度から、「Re―nameプロジェクト」と題して、廃棄されそうなモノの素材や特徴を生かして新たな価値を付加し、生まれ変わらせるアップサイクルに取り組む。これまでに規格外トマトを使ったソース「ほわいとまと」のほか、名古屋市熱田区のご当地グルメ「あつた鶏飯」を防災食の缶詰にしたり、名古屋コーチンの老いたオスの鶏を使ったドッグフード「わんコーチン」を開発したりしてきた。
第4弾となる「お父さんボール」は、里芋を生産する「やまさ農園」(瀬戸市)や「あいち食研」(名古屋市)などと連携。赤だつの「だつ」とは、茎、葉が出る部分のことで、その「だつ」の部分が赤い特徴がある里芋の一種を「赤だつ」と呼ぶ。
里芋を育てる過程で、多くの子芋を収穫するため、親芋は収穫を終えると田んぼに廃棄されることが一般的だったという。
ゼミ生たちは、収穫を体験して廃棄予定だった親芋をもらい受け、下処理、調理をして素材の特徴を把握。試作を重ねて完成させたのが里芋コロッケ「お父さんボール」だ。「親芋」から名前の着想を得たという。
冷凍のまま油で揚げるだけで、外はサクッと、中はほくほくでねっとりとした食感という。上品なうまみとやわらかな舌触りが特徴の商品に仕上がった。22、23日には試食会を開いてPRした棚橋直紀さん(3年生)は「冷めてもおいしく素材の味を大切にした。赤だつのブランド価値が高まれば」と話す。8個入り378円(税込み)。200袋を製造し、道の駅「瀬戸しなの」で販売している。