広島県北部の盆地、三次市にある旧三江線・尾関山駅に家族連れの観光客の歓声が響いた。
廃線となったレール上をペダルをこいで走る「レールマウンテンバイク」。今年の運行が3月20日に始まり、県内外からこの日、約50人が訪れた。
広島、岡山両県を結ぶ赤字ローカル線、JR芸備線の一部区間について、将来のあり方を探る議論が続いています。仮に廃線となった場合、地域はどうなるのか。2018年に廃線となったJR三江線(広島・三次―島根・江津)の地元の現状をリポートします。
三次市は1954(昭和29)年、かつて宿場町で行政機関が集まっていた三次町と、養蚕業が盛んだった十日市町などが合併して誕生した。翌年、三次町地区にできたのが尾関山駅だ。
三次町地区は70年代まで「県北一の商店街」と呼ばれ、にぎわいを見せた。当時を知る地元の木村照江さん(83)は「商店街にはデパートもあって、三江線で買い出しに来る人が大勢いた」と懐かしむ。
「廃線の影響、今も」消えぬ後悔
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だが、新しい商業施設などが…