山形市南部児童遊戯施設「シェルターインクルーシブプレイス コパル」=山形市

 建築家の大西麻貴さんは、百田有希さんと設計事務所「o+h」を共同主宰し、山形市の児童遊戯施設で日本建築学会賞を受けるなど、いま注目の建築家の一人だ。幼時から文芸作品に親しんできたという大西さんが、谷川俊太郎さんと大岡信さんの対談集「詩の誕生」から、詩と建築の関係を語った。

 ――子供のころから、谷川さんの「ことばあそびうた」などを読んでいたと聞きましたが、「詩の誕生」は、どんなきっかけで読み始めたのですか。

 「数年ほど前に建築家の西沢立衛さんに紹介してもらいました。私たちの建築にアドバイスいただくなど、たいへん影響を受けている西沢さんのお薦めの本なら読んでみようと思って。読んでみると、谷川さんと大岡さんのお話も、その展開もたいへん面白かった」

 ――特にどんなところが面白かったんでしょうか。

 「たくさんあります。タイトルにもなっている『詩の誕生』という言葉から何を連想するかという話から始まって、通常は古代や原始の呪術の叫び声といったことを想像しがちですが、谷川さんは『僕の実感としては、いま現在この瞬間も詩というものは誕生しているものだ。大昔にももちろん誕生したし、その後もずっと日々誕生して日々消滅してきたものだ』とおっしゃっている。まずそこが印象的でした」

 「そのあとも、『僕の感じで…

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