新しいサケを迎え、感謝を捧げる「アシ●(小書きのリ)チェ●(小書きのプ)ノミ」=2025年9月7日午前10時35分、北海道浦幌町、太田悠斗撮影

 新しいサケを迎える儀式「アシ●(小書きのリ)チェ●(小書きのプ)ノミ」。北海道浦幌町のアイヌ団体・ラポロアイヌネイションが7日に開催し、今年は札幌高裁の裁判官が「現地進行協議」として視察した。団体は、アイヌ民族の集団に固有の権利(先住権)を求める訴訟を起こしている。

 儀式は、浦幌十勝川の河口周辺で雨の中、始まった。河川沿いの草原で、前日の漁で捕ったオスのサケを囲んだ。「たくさん(サケの)仲間を連れてきてくれる」よう祈り、感謝を捧げた。

 弁護団によると、斎藤清文裁判長らが儀式の内容や意味を弁護団に問いかけながら視察したという。

 儀式で祭司を務めた団体理事の差間(さしま)啓全さん(58)は取材に「やることはいつもと変わらない。アイヌとして生きてきた先駆者たちがいるから、私たちもここにいる。すべてに感謝を伝えた」と語った。

 現地進行協議の後、団体は丸木舟を使った伝統的なサケ漁で15匹のサケを捕った。文化伝承などのため、道から「特別採捕」の許可を得ている。生業としての漁は認められていない。

 団体は2020年、先住権として地元の川でサケを自由に捕ることを求めて国と道を提訴。昨年4月の一審判決で敗訴した。

 一審判決は、アイヌ民族にと…

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