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スクーリング会場でバレーボールの授業に取り組む浜崎達規さん(中央)=2025年6月21日、埼玉県狭山市、小林直子撮影

 授業や部活動の指導で「忙しくて大変」と思われがちな保健体育の教員。一方、自身のスポーツ経験を生かそうと、働きながら教員免許の取得をめざす元アスリートたちがいる。なぜ「体育の先生」なのか。

 ある週末、埼玉県内の大学を訪れると、全国から集まった20~30代の男女約20人がバレーボールの授業を受けていた。通信制の大学で唯一、中学と高校の保健体育の教員免許を取得できる星槎大学(本部・神奈川県箱根町)の実技の授業だ。

 保育士、ホテル従業員、ほかの教科の教員……。様々な職業の社会人学生らも、2日間の日程で実技やグループワークに取り組む。普段はオンラインで学んでいるため、多くの人がこの日が初対面だった。

 「バレーは難しい。球技には苦手意識があるんです」。こう話すのは、沖縄県の公務員、浜崎達規さん(37)。バレーボール経験者の学生に助言を受けながら、スパイクの練習をした。

 かつては実業団の陸上選手として、フルマラソンでの五輪出場を目指していた。昨年10月に星槎大学に入学したが、「もともと先生は自分には向いていないし、(免許を)取れないと思っていたんです」と話す。

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