母が切り盛りしていた当時の店の写真を示して、昔話をする「弘前さくらまつり」の露店の名物女将・三浦さつ江さん=2025年4月11日午後3時50分、青森県弘前市、江湖良二撮影

 「日本一の桜」とも言われる青森県弘前市の「弘前さくらまつり」が16日から開幕し、23日に満開となった。

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 弘前さくらまつりを80年近く支えるのが、市民や花見客でごったがえす会場で、おでんやラーメンを提供する露店「三浦食堂」の名物女将(おかみ)・三浦さつ江さん(93)だ。

 戦後すぐから母親の露店を手伝い、2代目店主として店を取り仕切る。現在はもっぱら接客を担当。93歳とは思えぬ健脚で店の中を走り回り、なじみの客に声をかけたり、かけられたり。昔のさくらまつりの話に花が咲き、「んだんだ(そうそう)」と明るく相づちを打つ。さつ江さんの元気ぶりを目当てに店を訪れる客も多い。

 「なじみのお客が『元気でね』『元気をもらったよ』と言ってくれる。それが励みになります」

 組み立て式の露店は座敷とテーブルで100席ほど。やきそばや津軽そばなどのメニューが貼られ、サクラの造花が雰囲気を盛り上げる。入り口近くにはレジ代わりの3段式の古い木箱と昔の店の写真が置かれ、食堂の歴史を物語る。

 昔の写真を見ると、花見客は…

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