原告の北三郎さん(仮名、左)らが基本合意書に署名した=2024年9月30日午後4時11分、東京都千代田区、川野由起撮影

 旧優生保護法(旧法、1948~96年)下での障害者らへの強制不妊手術を違憲とした最高裁判決を受け、国は30日、原告団、弁護団、原告らを支援してきた「優生保護法問題の全面解決をめざす全国連絡会」(優生連)と基本合意書に調印した。補償の周知や、再発防止に向けた調査検証などを検討するため、定期的な協議の場を設ける。

 7月の違憲判決を踏まえ、国と原告団、弁護団は9月13日、係争中の訴訟の和解のための合意書に調印し、さらに基本合意書に向けた協議を続けてきた。

 旧法をめぐっては超党派の議員連盟が判決後、新しい補償制度のための新法の議論を進め、強制不妊手術の被害者に1500万円、配偶者に500万円、中絶手術の被害者に200万円を補償するとした法案の骨子をまとめた。

 これまでは2019年に成立した一時金支給法に基づき、強制不妊手術の被害者にのみ320万円を支給していた。ただし、「思い出したくない」など様々な事情がある人がいるなどとして、国は被害者への個別通知はしてこなかった。

 基本合意書では、新しい補償制度について国や自治体に相談窓口を設ける▽様々な障害がある人に情報が届くよう周知を工夫する――などと明示した。担当者によると、一時金支給法で独自に個別通知をしている自治体の事例を紹介することなども検討するという。

 謝罪広告など被害の回復の措…

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