(26日、第107回全国高校野球選手権北北海道大会旭川地区2回戦 旭川志峯7―2旭川北)

 低めに決まっていた球が、後半に入ると上ずった。旭川志峯打線に、すかさず狙われた。

 均衡が崩れたのは、六回裏1死二塁。旭川北エースの菊地斗夢投手(3年)は、8番打者村田敏泰選手(2年)に左翼へ三塁打を打たれ、勝ち越された。この回、計5本の長短打を集められ5失点。試合の流れを渡した。

 185センチの長身から投げ下ろす最速146キロの直球を武器に、春の地区大会では、夏の甲子園出場回数が北北海道で最多10回の、旭川志峯を破った。

 そんな強豪との再戦。直球が走らず、「生命線」と位置づけたカーブも操れない。球も見極められた。「今日は、腰の痛みもあり、本来の投球ができなかった。旭川志峯にがむしゃらにやる野球を見せられた」と唇をかんだ。

 156球を投げきった菊地投手に涙はなく、「やりきって負けたのなら涙も出ると思うけど、現実を受け入れられない。こんなにあっさり終わるんだ」と振り返った。

 大学に進み、投手を続けたいという。体をつくり、平均球速150キロ中盤を投げられる投手をめざす。「大学からメジャーやドラフト1位でプロに進み、ゆくゆくは日本を代表する投手になりたい」。静かに誓った。

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