安田学園のエース、稲葉=2025年7月21日午後0時40分、神宮、武田遼撮影

(21日、第107回全国高校野球選手権東東京大会5回戦、関東第一6―0安田学園)

 安田学園のエースが強豪・関東第一の強力打線に挑み、三回以降を無失点に抑えた。

 「先発投手が4失点したらいくぞ」。試合前日、会田勇気監督から言われていた背番号「1」の稲葉颯来(そら)(3年)は二回裏、関東第一が2点本塁打で先制すると登板の準備を始め、5点差となったところでマウンドに向かった。

 昨秋から白米を茶わん一杯分増やすなどして、直球は最速140キロ。ただ、今日は制球が定まらない。五回裏、満塁のピンチでベンチから伝令が来た。「逃げるな、攻めていけ」。この回を無失点に抑えた。「後ろにはみんながいる」とリラックスした。

 スタンドの声援にも助けられた。この日は18歳の誕生日。三回表、打席に立つと、三塁スタンドからバースデーソングの大合唱。「すごくうれしかったし、力になった」。6球目にたたいた打球が中前に抜けたのを見て、スタンドへ向けてガッツポーズをしてみせた。

 チームは序盤の大量失点を挽回できなかった。「コールドとならずに最後まで戦えたのが唯一の粘り強さで、相手の全てが2~3ランク上だった」と会田監督。力投した稲葉には「3年間の集大成となる投球をみせてくれた」。

 大学でも野球を続ける稲葉もこう応じた。「もっと、もっと投球を磨きます」=神宮

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